33

 

 

予想だにしていなかったことが起こった。

ずっとずっとだいすきだった、アイドルに突然ばったりと会った。

 

中学生の頃、ピーピー騒いでだいすきだった人たち。どうでもいいかと思っていたけれど去年の暮れから、グループの絆の強さ、それぞれの愛の強さに惹かれて再びはまっていた。

 

ただ、ライブに行くほどの熱量もなく。平凡と、ただ日常のちょっとした幸せの補給をしてくれる存在だった。

昔思っていたような、会いたいなとか、会えるかな、とかは微塵も考えていなかった。

 

期待も何もしていないと、こういうめぐり合わせがあるのかしら。

 

いつもと同じように働いていたら、遠くから見たことのあるお顔が。

まさかね、そっくりさんよね、と頭の中で考えながら、いつものお客様と同じように笑顔を向けた。

そうすると普段は返ってこないような、にっこり笑顔をわざわざ返してくれたそのお客様。

 

うーん、似てるなぁ、ひっかかるなぁ、まぁでもこんなところにあるわけないか。そう思いながら、ただただもやもやしていた。

 

でもやっぱり、似ているなぁと頭の中からもやもやは消えず、あとあと他のお店さんに聞いたら、そのアイドル本人だったことが判明した。

 

はぁ、あとほんの一瞬早く判断ができていたら声がかけられていたかもしれなかった。もったいない。

ただ、彼の私生活の邪魔をするのも望みではないから、ああやって笑顔を向けてくれただけでも、というか、日常生活の中に現れてくれただけでも幸せ極まりないできごとだったんだ。

 

明るい人、本当にいい人で有名な彼だけれど、その名声を一切裏切らずに、期待通り、というか期待以上の感じの良さをもつ彼にさらなる好感を抱いた。

 

彼が真の素敵な人だということを知れたこと、それが何より嬉しかった。

 

 

他にも何かとお店には嬉しい訪問者の多い1週間だった。

だいすきな先輩や他のお店の方、大好きなお客様、携帯をなくしてしまったテキサスからのお客様、、、。

慌ただしい感じがしたけれど、色んな方と会えるこのお仕事が本当に楽しいものなんだな、と感じた。

 

お客様と顔を合わせることができるお仕事、これは本当やめられないんだろうな、これから先の人生でも。

 

 

 

これから先の人生、といったら、身近な人からとっても素敵な報告を受けた。

兄が次の冬に入籍をするんだとか。

 

新しい家族ができるっていうこと。それが何より嬉しかった!!わたしに、素敵なお姉さんができるんだ!!

 

小学生の頃からずっとみんなに好かれて、でもきっとそれ以上に人を大切にして、好きなことをやってきたおにいちゃん。

 

頭の中にはいろーんなものが詰まっているだろうから、いつ会ってもずっと話しが止まらない、とっても面白いひとなのだ。

 

わたしの大切なお兄ちゃんを選んでくれた相手も、素敵な方に違いない。

うれしいなぁ、しあわせだなぁ。

 

f:id:the_littleworth:20190820100943j:image

 

そんな報告を受けたのは、だいすきなおばあちゃんの家にて。

 

今回はゆっくりと休みをとって、新潟で少し遅れたお盆休暇をとった。

まるまる2日おばあちゃんとだいすきなおうちで過ごせた。

 

本当に悲しいけれど、9月からはこうはいかなくなる。

その前の最後の帰省だったから、胸に詰まる思いが重すぎて。いちいち涙が出そうになった。

 

わたしにとって生まれていちばん初めに帰ってきたおうちだし、小学生の頃は夏休みの大半を過ごした場所である。

だいすきなおじいちゃんやおば、ひいちゃんともたくさんの時間を過ごしてきたところ。

おうちの香りと、カーテンの絵柄、客間の照明の温かさを全身で感じるたび、小さい頃の温かいきもちが蘇って、その度に胸が締め付けられた。

わたしはこの家族に囲まれて、愛されて、育ってきたんだなぁ、と。

自分を今の自分に導いてくれたのはこの家の存在が本当に大きいだ。

 

今日が最後になってしまったけれど、

でもその最後の機会をこうやって悔いが残らないようにゆっくりと過ごすことができた。

 

なんの制限もないなら、もっとこっちにいて、ずっとずっとこの空気感に包まれていたかったけれど。

 

ここまできてしまったのなら、次の恩返しはわたしがもっとしっかり、自分の頭の中にあるものを形にしていくこと。

 

自分の成長を見せることしか、おばあちゃんにできることは残っていないな。

 

ふにゃふにゃとした人間になってはしまったけれど、おばあちゃんから譲り受けた愛や感性みたいなものは、しっかり目に見えるようにしていかなきゃ。

 

 

 

 

8月の3週目は毎年心を締め付けられるな?

でもそれは9月からの自分の成長のため。!