44

 

突っ走った1週間。

 

いや〜、突っ走った。。

 

1週間前は山のような量のドライフルーツを手の豆つぶしながらカットして、山のような量のクリスマスプディングの用意をした。

 

単純作業の積み重ねだったけれど、このひとつひとつが色んな方の手元に渡ると思うと、そしてそれを食べながら大切な人も大切なクリスマスを過ごすのかと思うと、愛を込めずにはいられなかった。

 

クリスマスプディングづくりの伝統通り、愛するお店のみんなで願い事を込めながら混ぜた。

わたしは普段周りにいてくれる愛すべき人たちのことを思い浮かべながら、その作業をした。こういう慣習、日本にも海外にも有るけれど、改めて温かくて素敵なことだなって思えた。

 

それから、つくるのももちろんだけれど、今回は無心になって沢山ラッピング作業もした。

夥しい量に負けそうになりながら、ただただ、無心で。

サンタさんってこういう風にクリスマス支度をするのかな、そんな感覚が少しわかるようになった気がする仕込みの期間だった。

 

そんな気持ちで用意をしたものを、お店に立って直接お客様にお渡しした6日間。いろいろ思うこと、感じることもあったけれど、とにかく私はお客様に会えることが好きでたまらないみたいだ。

お店を好きでいてくれる方、お菓子を好きでいてくれる方、そんな方々と直接触れ合うことができるお仕事は本当に恵まれていると思う。恵まれている、というか私を喜ばせるドつぼをついてくる。

 

催事の期間が何日かあるからこそ頂いた、「この間食べたこのケーキが美味しかったから、また買いに来ました」ということば。

これが今期中1番パワフルなものだった。

 

用意したものを口にしてくれて、感想をくれて、そしててまた口にしてくれる。このサイクルほど、お菓子づくりに関して嬉しいものはない。大きな大きな次への活力、励みになる。

 

働きながらそんな風に考えていたこと

で、ふだんみんながくれる言葉について改めて有難い気持ちが溢れて止まらなくなった。

今週はこんな言葉をもらえた。

「りさちゃんのお菓子は私の精神安定剤」だとか、「家族も喜んで食べてくれたよ」だとか、それはもう、心を大きく踊らせてくれることば。

 

少し前まで、誰かにかけてもらえる言葉でこんなに嬉しくなれることってなかったな。それは、何かをそこまで高めようと思えることを自身の中に持っていなかったから。

 

今は自分の中で磨きたいこと、実現したいこと、そういうビジョンがあるからこそ、誰かの褒め言葉がとっても大きなモチベーションを与えてくれる。

何かを頑張ろう、高めよう、とする自分がいること。まずそのことが本当に幸せに思えるし、それを鼓舞してくれる大切な人たちが周りにたくさんいてくれる。

 

まだまだ甘っちょろい自分だけれど、がんばっていきたい方向性は見えてきて、人生が明るくなってきている。

磨いて磨いて、自分自身で切り開いて行かなくては。


f:id:the_littleworth:20191105222944j:image

 

今週は毎日仕事をしてしまったけれど、それが楽しい。愛を持ってしごとをできているから。

 

そして愛といえば、仕事と仕事の空き時間に『イエスタデイ』を観に行った。大好きなリチャードカーティスの映画。

 

なんかちょろっとうさんくさい日本人が出てきたり、大袈裟なシチュエーションで走り抜けたり、大勢の前で愛を示したり、そんな「カーティスパターン」がいくつも見られた。あぁ、彼にはずっと映画を書いていてほしい、と心の底から思った。

 

そのうちで一つのことを考えた。カーティスパターンのうちの一つ、大勢の前で愛を伝えること。たとえばラブアクチュアリーのコリンファースとポルトガル人のシーンとか。今回で言えばジャックがエドのライブの場を借りて、エルに想いを伝えるシーンについて。

 

大勢の前で愛を伝えることってロマンチックに見えるけど、実はそうされるのが嫌な人ってきっとたくさんいるんだよね。私は少なくともそう。そういう気持ちを踏まえるとカーティスがこういうシーンを以ってしたいことって、愛する気持ちをを見せびらかすことでも見世物にすることでもない。ただ、そのときに、そのときじゃないと伝えられない愛を伝えなきゃという衝動に駆られた結果として、大勢の前で愛を露わにしてしまっただけ、なんだと思う。今言えることを今伝えなきゃ。その結果に大きなオーディエンスが伴ってしまい、それが愛の大きさを物語る効果を持ってくれる、そういうシステムなんじゃないかなと思う。

 

カーティスが書いたカーティスらしい映画を見て、大学に入ってすぐの頃の気持ちを思い出した。入学直後のライティングスキルチェックテストの時、確か好きな本でも映画でもなんか書け、みたいなざっくりとした問題で、ラブアクチュアリーのことを短い時間でめちゃくちゃな量の文を書いたこと、今も覚えている。(そのせいで自分がついていけないライティングクラスに入れられた、、汗)

フィルムスタディーズにも興味があって、クラシカルな小説から現代の映画まで含めてロマコメを深められればいーなーなんてことも思っていたなぁ。

今は別にそうしなかったことに対してとくに後悔も全くないけど、そういう可能性があった自分の人生がなんだかとても懐かしく、かつ面白く思う。

 

そして、今自分の人生が予想もしなかった形になっていることがこれまた、ものすごく不思議で、極めてハッピーに感じられる。

 

 

自分自身が選択をできたこともそう、あと最近は約束して会う友達もそうだけれど、仕事場に顔を出してくれる友達の存在を本当に大きく感じている。

 

この瞬間がたまらないんだな、どんなことがあっても頑張りたいんだなと思うことができる。

 

会期中は苦手なことにもいっぱい面しなきゃいけなかったし毎日珍しく眠れない日が続いたし、久しぶりに耳からくる体調を壊す寸前まだきていたし、普通にお腹壊していて、一回立ち止まりたいな、と数ヶ月ぶりに思う瞬間も多かった。でも終わってみれば、大好きなことに囲われて、心が満たされに満たされまくった1週間だった。

 

さぁいよいよ残りの2ヶ月。(もうないね)

 

次の週はわたしにとっての新しい家族と顔を合わせる機会が待っている。初めてのことだ。待ち切れないな。もっと幸せな1週間になりますように!