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週の初めはとーってもいい休日を過ごせた。

 

陽が一日中きらきらとさしていた春らし過ぎた水曜日。季節がどんどん先を進んでいるようで、この日は半袖を着て出かけた。お気に入りの、おばあちゃんのおさがりの半袖のワンピース。

 

朝一番にまずは映画を観に行って(感想後述)、そのあとはゆいちゃん、うんじょん、ねねちゃんとのリユニオン。

前の職場の集まりだ。

ねねちゃんと私はカフェで働いていた。

ゆいちゃんとうんじょんは、フローリスト。

今は誰もあの地には残っていなくて、みんなそれぞれの場所で頑張っている、大切な仲間たち。

 

ランチからコーヒーからノンストップでいろいろなことを話したなあ。

年代も同じくらいだけど、みんな経験は本当にそれぞれで。それから誇れることは、みんなそれぞれに素敵な夢があること。

 

くだらないことも話す仲だけれど、しっかりと背中を押しあったら叱咤したり、高め合える仲でもある。

 

いつも以上に、いろんなことを話して。今後の集まりには今のままの自分では顔を出していたくないなと思えた。

強く、上へ向かっている、頭に思い描いていることを形にしている、そんな自分で2年後のリユニオンに参加したい。

 

今週はいつもより休みが少なくて仕事ばかりしていたけれど、楽しかった。

楽しい理由はふたつ。

ひとつは、純粋に仕事からやりがいや幸せを感じている。なんて、素敵なことだろうか。自分が手にする職に満足しているひとってそうそういないなってここ1年で思い知って。でもそんな世界の中で、わたしはやっていて、楽しい、幸せと感じる仕事に出会えた。本当に有難い巡り合わせ。職場の優しい先輩方と取るコミュニケーションも、日々楽しくなっていく。

底の方に堕ちていっていたわたしを救い上げてくれた今の職場に感謝感謝。

 

ふたつめは、毎日一冊の本を読んでいたこと。

ぜんぶ、ぜんぶ、江國さんの作品。笑

 

するすると染み込んでくる言葉たち。

なぜ江國さんはこんな素敵な言葉を紡ぎ続けることができるのだろうか、不思議でたまらない。

でも、

江國さんの文を読むことによって気づかされる日常の些細なことを気にかけるようになったおかげで、それ自体が楽しみになったし、日々の少しの出来事も愛おしく思えるようになった。

 

頭の中で文を考えているなんていう瞬間も日常に取り入れられて、それが新鮮でものすごく面白い。

書き残しているほど、ゆとりはないのだけれど、いつか時間のあるときに、感じたことを表していけたら、とっても楽しい記録、記憶になっていくんだろうなあ。

 

週明けの休みの日は春を探しにさんぽへ。

 

出かけるのが億劫で自分流フローで済ませようとしていたヨガにも結局重い腰あげて出たこと、これがすごいよかった。

私が進めたいテンポにあっているクラスだったし、シャバーサナの感情の緩み、その時起きたカタルシスが物凄く気持ちよかった。これはなかなか自宅ではできないこと。一歩踏み出てよかった、そんな1日になった。f:id:the_littleworth:20190325225614j:image

 

 

「マイブックショップ」忘備録

 

物語通して、常に、静かな風が吹いているような、心地よい音と映像と表情と。

ときどき不安を煽るような音が耳に入ってきたけれど、激しい感情の起伏はなくて。

しずかに、しずかに、すすんでいく物語。

 

ヴァイオレットやノースが出てくるところを除くと、

見ていて笑みが綻ぶような、今すぐにオールドハウス書店のドアを開きたくなるような、そんな雰囲気が流れていた。

 

それからビルナイの存在はやはり、圧巻。簡単に言葉では表現できない。

息遣いにまで魂がこもっていて。

後半の海辺で敬意をこめてフローレンスの手に口づけるシーンは、そこまであまり動いていなかった感情が、一気に動かされた。胸がぎゅーっと。

何だろう。あの関係性は。恋愛感情ではないのだけれど、人と人との敬意って、こんなにも胸を締め付けるほど熱いものになれるのかっていう、おどろき?があった。

応援する、励ます、信じる、、こういうことって簡単なように見えるけど、貫き通すことって実は物凄く難しいこと。

そう気づかせてくれたともに、これが相当至難な技だからこそ、あのシーンは胸を熱くさせるものがあったんだろう。

 

ここで一気に感情ゲージが高まって、

 

そして。

静かに動いていた感情が最後に思いっきり溢れ出て、涙になってこみ上げた。ビルナイ演じる老紳士(名前忘れた)が無くなったあとに、「たんぽぽの酒」が書店に届き、フローレンスの目から涙と心にいっぱいになった感情が溢れた瞬間に。

 

物語を見ている時に抱いていた婦人やノースへの苛立ちや、夫を亡くした寂しさや、街の人たちがフローレンスへ向ける視線の厄介さやら、映画を見ながら決して表面には出てこずに静かに渦巻いていた心の中の不快感が、このとき、ぶわぁっと溢れ出て。

溜め込んできたもののダムが決壊した感覚。

 

この映画泣かないなあと、映画を見ると9割方涙を流すわたしが途中で思っていたけれど、

最後の最後で思いっきり、ダムが壊された。

 

苦い、というレビューを見ていたけど、本当に苦かった。わかっていたから、なおのこと。

 

それでも、未来に灯された光を余韻に残してくれる心地よさよ…

下手すると胸糞悪く終わっていた作品だけれども、

すごく子どもが織りなす子どもらしくも大人びた行動によって消えかけた希望の光がともされて、納得のいく終わりを迎えられた。

 

ビルナイのことはまだまだ書き足りないし、

映画の感想としては薄っぺらい忘備録になってしまったので、またどこかでしっかりと記録に残しておきたい。

 

自分の将来の夢を考えると、

この映画は一生心に留めておきたい映画のうちのひとつ、そんな作品だった。

 

 

 

もちろん、世界観とフローレンスのファッションと、老紳士のもてなすケーキとお茶、これが最高だったというのはいうまでもなく。